i -アイ-






もっと傍にいればよかった。


まりあちゃんを支えられるくらい強くなりたかったのにな。



後悔は募るけど、大事なのはこの先で。




「藍、あなたが幸せになるか不幸になるかはあなた次第なの。強く生きなさい藍。愛しているわ」



その言葉をあたしにくれたまりあちゃんは、その数週間後に息を引き取った。



それからのあたしは、iの活動を続けながら、ありとあらゆる情報を手に入れ、榛人が殺されたのか否かを調べる材料を探した。



榛人は、車に轢かれて死んだ。


というのも、いつもは使わないT字路の道に榛人はその日向かっていて、普通車両に乗っていた男がアクセルを踏み切って榛人に突っ込んだ。


加害者は榛人との接点はなく、無関係。そして、加害者も即死だった。


榛人の着信履歴などは全て消されており、何故そこに向かったのかも不明。


殺人にも見える現場だが、証拠はなく事故として処理された。


ただ1つ、榊亮が手を下したのではないかという噂が流れる理由として、その加害者の男は榊財閥が経営する企業の幹部だったということ。


そして、会社のお金を横領していた証拠もあった。


もし、榛人と榊亮の関係が悪かったとして、なぜ葬式に来たのか。