素直になりたい。

「櫻庭っ!」


思わず大声を出してしまい、他の3人が一斉に私に視線が注がれた。

もぉ、なんで?

なんでこんなところにも、

櫻庭がいるの?

意味不明。


「あのさ、座ったら?」

「何を偉そうに...!」


ムカつきながらやつの右隣に腰かける。


「そこ、ベスポジだよな」

「うるさい。黙って」


こっちだって聞きたいことは山ほどある。

けど、今は映画に集中しなきゃなんだよ。

だって、私が初めて好きになった恋愛ドラマの最終章なんだから。

見届けるんだよ、この目で。


「終わるまで話しかけないで」

「はーい」


何が"はーい"よ!

こんな時までざわつかせやがって。

とんだ迷惑だ。


「ふぅ...ふぅ...」


再び呼吸を整え、その時を迎えたのだった。