素直になりたい。

「偉い...」


偉すぎる。

だって、今大会真っ只中だよ。

それなのに真面目に勉強してるなんて。

私だったら絶対文武両道なんて無理。

やっぱり出来る人は違うな。

効率よく勉強して、残った時間は全部練習に費やしてるんだろうな。

じゃなかったら、全国目指すなんて言えないもん。

たしか剣道部だったよね?

袴姿の天羽くんを想像してみる。

あぁ、カッコいい...。

自然と鼻の下が伸びてしまう。

いや、待て。

こんなことしてる場合じゃない。

送られてきた問題を解かねば。

私はすぐさま問題を確認した。


「あっ...」


私は見間違いかと思って2度見した。

でも、間違いなんかじゃなかった。

完全にそうだ。


「同じ問題だ...」


同じ時間に同じ問題を解いてるなんて...。

ちょっとだけ、運命の二文字が脳裏にちらついた。

けど、それは消しゴムでゴシゴシ消した。

そんなのあるわけない。

少なくとも私にはない。

運命じゃなくて偶然だ。

私は気を取り直して問題に取り組んだ。