「明後日は大安だし、晴れるって言ってるし、きっと大丈夫でしょう。初日でいくら売れるかな~。店長はどう思いますぅ?」

「どうだろう?6万はいってほしいけど」

「6は無理じゃない?せめて4」

「いや、夢は大きくだよ!6を目指そう。何せ看板娘が2人もいるわけだし」

「やだもぉ!ワタシまで看板娘だなんてっ!」


高校3年生にして恋愛未経験の私の前でいちゃついている37歳男性と27歳女性。

ちなみに男性の方は180センチの細マッチョで、顔もそこそこにイケてる、いわゆるイケオジ。

名前は菅原利光。

脱サラしてパン屋にアルバイトとして入り、製菓専門学校に通いながら技術を学んで資格を取得。

そのパン屋で働いていたのが遠野さんで、そこに入ったのが私。

2人は恋人関係だったのに、私がKYなために堂々と邪魔をしてしまったというのだ。

でも、あと1年でそんな邪魔者も消える。

さすがに大学生になったら1人暮らしするよ。

どんなボロアパートでも1人で住む。

絶対あの家には戻らない。

そう決めている。