素直になりたい。

私は翌日、家族3人に見送られながら家を後にした。

皆の姿が見えなくなり、

1人駅に向かって歩いていると、

背中をドンッと叩かれた。

こんなことをするのは、

彼しかいない。


「おっす、直禾」

「何、おっすって?らしくない」

「まぁ、いいじゃん。で、そっちはどうだった?」

「私はまぁ一応家族と久しぶりに会って、色々話をして、また頑張らなきゃなって思った。私のこと、皆ちゃんと心配してくれてたし、これからは家族のことも蔑ろにしないで生きていこうと思う」

「そっか」

「で、そっちは?」


いつになく表情を曇らせる。

もしかして、"2度と櫻庭家の敷居を跨ぐな!"みたいなことを言われちゃったとか?

いや、でも、まさか......。


「そんな顔するなよっ」

「いたっ!またやったな...!」


私が気落ちしてると、毎回攻撃されるのに、全然抵抗出来ない。

悔しい...!

でも、待て。

こんな風にじゃれてくるということは、

もしや......。


「父さんにはこっぴどく叱られたけど、でも許してもらえた。大学生になるんだし、家から出そうと思ってたからちょうど良いって。1人暮らしして親と金のありがたみを知って4年後戻ってこいって言われた」

「へぇ。ってことは......」