その直後、

チョコよりも甘くて

ランタンよりも暖かくて

優しい温もりが

唇に落とされた。

私は瞳を閉じて、

今まで紡いできた、

記憶をなぞった。


苦手だった。

嫌いだった。

大嫌いだった。

けど、

あなた自身が

私の心のベクトルを変えてくれた。

どこにも向かない。

私のベクトルの向かう先は

これからもずっと

あなただけ。

だって、

私は

あなたが...

櫻庭のことが...

櫻庭新大のことが......。