素直になりたい。

「天羽くん、私のこと、こんなにも好きになってくれてありがとう。

誰かに好きって言ってもらえるのが初めてで、嬉しかった。これは嘘じゃない。

だけど...だけどね、その想いで誰かを傷つけてしまうのは間違ってる。天羽くんは、私のことも、櫻庭のことも傷つけてしまった。

人を好きになるってすごく奇跡的なことで、すごく幸せなことだけど、それと同じくらい、誰かを傷つけたり苦しめたりもするって、私もやっと気付いたんだ。

それをゼロにすることは出来ないし、好きにはそういう色々な感情が伴うと思うけど...でも、自分の気持ちに嘘をつかないで、弱さも強さも全部受け止めることこそ大事だって私は思う。

皆誰しも弱いところもあるし、強いところもあるから、それを誰か1人にでも見せられれば、きっともっと良い恋が出来ると思う。

それは私も同じかもしれないけど...。

天羽くんも、もっと私に弱い部分、見せて良かったんだよ。強がらなくて良かったんだよ。

それが出来てたら、もしかしたら運命が変わっていたかもね」

「そっか...」


天羽くんが大きなため息を1つついた。

ため息を聞くのも初めて。

また1枚、ベールが剥がれたんだ。

私はなんだか胸がいっぱいになった。


「でも、今やっと、見せてくれたじゃん。色々ごちゃ混ぜになった感情を吐き出して、完璧な王子様から人間臭い一般人になれたんだよ。私、そういう天羽くんを最後に見られて良かった。本当に...本当に本当に良かった。それに、嬉しいよ。すっごく嬉しい」