素直になりたい。

「はぁはぁはぁ...着いた...」


遂に約束の場所へとやって来た。

校舎内で1番目に付きにくく、

1番幻想的な雰囲気を醸し出している場所。

元図書館で現在は資料室...。

私はドアノブに手をかけた。


――ガシャ。

――キーーッ。


年季が入っていて、鳥の鳴き声のような不気味な音がした。

電気は...点いていない。

ということは、まだいないのかな。

いや、それもそれで困る。

約束の時間、もう5分も過ぎてるのに、

いないって、それはないよ。

なら、どこに隠れてるの?


「おーい、櫻庭ー?」


電気を点けようと手を伸ばした、その時だった。


――ガシャ。

――キーーッ。


同じ音が鳴った。

そして、光が射し込み、

その光に導かれるようにして、

彼は現れた。


「お待たせ。ちょっと遅くなった」

「い、いや、私もほんの数十秒前に来たばっかだから、大丈夫」


って、何も大丈夫じゃないのだけど。

手も足もプルプルするし、

心臓がもう止まってしまいそうなんだけど。


「あっ、そうだ。俺と話する前にまずはこっちからな」

「えっ?」


櫻庭に言われて入ってきたのは、

天羽くんだった。