素直になりたい。

最後の言葉を聞く前に目が覚めた。

さっきよりは風が収まったらしく、ナイターのためにライトがつけられたみたい。

でも、私がいるのは...こんな木の間...。

いつの間にか、片方の板は視線より下に落っこちていた。


借りてるものなんだし、

取り戻さなきゃ...。


体を動かそうとすると、全身にぴりっと電流のような痛みが走った。

おそらくさっき強打したからだ。

うそ......。

このままじゃ、私、帰れないじゃん。

どうしよう......。

凍える手でポケットからスマホを取り出す。

しかし、分かってはいたけど、圏外だった。

助けも呼べない。

でも、きっと千咲ちゃんが気づいてレスキュー隊に連絡してくれるはず。

うん、そうだよ。

きっと、そう。

だから、待ってよう。

大丈夫。

誰かが私を助けてくれる。

きっと、

ううん、

絶対。