素直になりたい。

「おお!すごいすごいっ!」

「こ、こんな感じで良いのかしら?」

「おっけ!千咲ちゃん、良い感じだよ!」


女子3人はスキー、男子2人はボードをやることになった。

私は小さい頃に何度か東北のスキー場にお邪魔させてもらっていたから、いくら昔デブだったとはいえ、それなりには滑れる。

でも、 千咲ちゃんと結実は初めてらしく、私が基本を教えながら、山の低いところで練習をしていた。


「そうそう!ひとまずスキーは足を八の字にするのが基本だから、それを守ってれば大丈夫」

「ちょっと、直禾~!転んだ~」

「待って。今行く」


結実は運動が苦手らしく、まだまともに立つことさえ出来ない。

さっきから転んで起きる練習ばかりだ。


「板横にして、ステッキでその突起をついて板を外す」

「こ、こう?」

「うん、そんな感じ」

「おいやっ!あ、外れた」

「そうそう!いいよ、結実!その調子!」

「もぉ!そんな誉めないでよ!テレるじゃんっ」