素直になりたい。

新幹線の中では爆睡してしまい、長野駅からマイクロバスに乗り込んだのだと思うのだけれども記憶が皆無で、気が付いた時には白馬村駅に到着していた。


「わぁ!すごーいっ!」

「一面銀世界だね」


産まれも育ちも東京都心の皆さんには雪が珍しいみたいだけど、私はこんなのじゃまだ驚かない。

東京の田舎の方では普通に雪は降ってるし、たまに積もったりもするから。

そう、あのクリスマスイブの時みたいに...。


「さてと、ここからはホテル専用のバスで移動しまぁす。皆さん、あちらへどうぞ」


結実に案内されたマイクロバスに乗り込み、私達は雪山へと向かった。

標高が高くなると酸素も薄くなるし、耳の聞こえが悪くなる。

こういう時は唾を飲み込むと良いというのは、祖母から聞いた。

私は祖母の教えを守って時にごくんとしながら、山を目指した。