――ブーブーブー...。


2月22日。

ゾロ目の日の早朝にスマホが鳴った。

私は目覚ましがなったのかと勘違いしてスマホをタップすると、そこには短文でいくつものメッセージがあった。


"ヤッホー、直禾!久しぶり!"


直禾になったのかと、ひとまず突っ込ませてもらう。


"どうだい?有意義に過ごしてるかい?え~?100%有意義じゃないって!"


いや、言ってないから。

しかも、何この文章。

一人芝居かよ。


"なら、わたくしと一緒に行こうではないか!いざ、白馬村へ!"


「白馬村っ?!」


しまった。

まだ祐希さんが夢の中というのに大声を出してしまった。

それにしてもどうして急に白馬村?

そもそも白馬村ってどこ?


"わたくしの父の経営しているホテルが白馬村にもあって、今年は積雪も多く、雪質もばっちりだから、ぜひ卒業旅行でお友達を連れてらっしゃいとのことで、急遽行くことにしたのだ!"


"日程は2月28日、29日。1泊2日だよ!閏年最高っ!ってことで、当日はまたまた東京駅午前8時集合でよろしく!では、また"


ずいぶん自己中な内容だけど、

このまま青春が枯れるのも嫌だし、

相手は結実だけど、仕方ない。

1人よりはマシだし、無料で行けるなら、行こう。

高校生活最後の旅は、

一面が銀世界の

長野県白馬村。