「鷲尾って、小学時代デブメガネだったんだなぁ」

「面白~い。そんな子がこんなになるなんて」

「あの時の涙は、この頃の自分に対してですか~?」

「ははっ!うける!」


教室にこだます笑い声。

胸が雑巾をぎゅうっと絞るように締め付けられる。

雑巾からぽたぽたと滴る水のように、

私の胸にも灰色の濁った水が溜まり始める。

このままじゃ、また昔と同じことになる。

また私は仲間はずれにされる。

また私は孤独になる。

そんなの...

そんなの...

そんなの...

もう、嫌だ。

私は声を挙げた。


「確かに、それは私です。けど...」

「あははは!認めた!」

「マジかよ?!」

「てか、こんなの流したの誰なわけ?」


確かに...だ。

私の過去を知っている人...。

私の小学校時代を良く知っている人...。

そんなの、

1人しか、

いないじゃない。


――ガラガラ。