素直になりたい。

ここのお化け屋敷の設定は、出ると話題の古いお屋敷。

昔、お屋敷に住んでいた貴族の1人が原因不明で亡くなり、その後もこの屋敷に住むものは次々と亡くなっていったという、ミステリアスな話を受付の方から説明された後に懐中電灯を持たされ、出発した。

1歩足を踏み入れると、そこは本当のお屋敷のようだった。

クモの巣や照明の具合、家具までそれっぽくしてあって、恐怖を煽ってくる。

それに時々足元に感じる冷気も陰湿で気味が悪い。


「直禾ちゃん、大丈夫?」

「うん。天羽くんはもちろん怖くないよね?」


と、話をしていた、その時だった。


「助けて...」

「ぎゃっ!」


突然脇から聞こえてきた声に驚き、バランスを崩し、天羽くんに寄りかかってしまった。


「直禾ちゃん、大丈夫?」

「うん。ちょっとびっくりしただけ」

「でも、こうしてた方が安全だよ」


えっ...。

私は一瞬言葉を失った。

だって、

だってだって、

だってだってだって、

天羽くんが

私の手を

握ってきたんだもん。


「あ、天羽くん、あのぉ...」

「大丈夫。誰も見てないから恥ずかしくない。さ、行こ」

「うん...」