素直になりたい。

「鷲尾」

「何?」


櫻庭が振り返ったと思ったら腕を掴んできた。


「申し訳ない。俺と鷲尾は練習があるから、抜けるわ」

「えっ、いや、ちょっと!」


櫻庭にずるずる引きずられ、人混みを駆け抜け、気付けば中庭に来ていた。

中庭にはスイーツやドリンク、焼そばやお好み焼きなんかも売っている。

もしやこれは......。


「ねぇ、練習する気さらさらないでしょ?」

「いや、そんなこともないけど。その前に腹ごしらえしたかっただけ」

「だからって私を連れ回さないでよ。ってか、皆にもお昼にしようって提案すれば良かったんじゃ...」

「あのさ」


櫻庭が突然立ち止まった。

ちらっと、横顔を見ると、なんかいつもと雰囲気が違っていた。

もしや、怒ってる?

でも、何に?

誰に?


「俺の今の気持ち、分かる?」


急に何その質問。

意味分からないんですけど。

でも、まぁ、思っていたことを言えば良いか。


「怒ってる?」


櫻庭は何も言わない。

ただぶすっとこっちを見てるだけ。

何、この顔...。

私の胸に何かが込み上げてくる。


...ふふっ。

...うふふっ。