素直になりたい。

なんて思っていると、今度は私の元に本物の王子が登場した。


「直禾ちゃん、大丈夫?緊張してる?」

「あぁ、まぁ少し」

「ほんとは心臓から口が飛び出しそうなくらい緊張してるくせに」

「うるさい。櫻庭は黙ってて」


きぃっと睨み付けると、櫻庭はそっぽを向いた。

ご機嫌斜めになられては困るけど、でも今は構っている時間がない。

せっかく心配してくれてるんだから天羽くんとお話ししないと。


「直禾ちゃんさ、この講演の後の自由時間一緒に回る人決めてる?」

「ううん、まだ」

「じゃあ、オレと回らない?」

「えっ?」


う、う、うう、嘘...。

お、おお、王子からお誘いが...。

映画だけじゃなく、文化祭まで?

ど、どど、どうして?

どうして私なの?


「もし2人が嫌なら千咲ちゃんも一緒でもいいよ」

「じゃ、じゃあそれで...」

「あのさ」


黒いアイマスクでリラックスしようと思って出来ていない、不気味な男が1人。

まぁ、もちろん、櫻庭だけど。