素直になりたい。

ようやく私と櫻庭の練習が始まった。

最初に櫻庭が左手を差し出し、私が右手で受けるところからスタートする。

腰に手を添えられると、いつもくすぐったい。

正直、顔なんて見られなくて、今はシャツを見ちゃってるんだけど、それもきつい。

甘い匂いと

うっすら見える素肌に

ドキドキせずにはいられない。

ひとまずそれはおいといて、ダンスだ。

手を取ったら、右に2歩ゆっくり移動してターン、

そして、左に2歩移動してターン。

ここまでは順調なのだけれど、

ここからの大移動が大変。


「あわわ」

「おっと、大丈夫か?」


転びそうになったら、櫻庭が受け止めてくれた。

不覚にもまたキュンとしてしまう。


「ここはゆっくりやるか」

「あ、うん」


櫻庭は練習の成果もあり、天羽くんに負けず劣らず滑らかにステップをこなしている。

それに比べ私は、指定された歩数に合わせて動くのに精一杯で表情はガチガチ。

これでは、舞踏会に初めて来たど素人のダンスになってしまう。

絶対にガーネットなら余裕でこなして、笑顔でサファイアのことを見ているはず。

だから、私ももっとちゃんと演技をしなくちゃ。