素直になりたい。

「僕はですよ」

「あっ、はい」


単語帳をパタンと畳み、こちらに視線を向けた。

その表情が兄の真剣な時そのもので、少しどくんと心臓が跳ねた。


「僕は兄は出来損ないなんかではないと思っています。

父は兄を僕と比べて全て劣ってると言っていますが、そんなことはないんです。

いつだって奇跡を起こすのは兄で、僕はただ淡々とやるべきことをこなしているだけのつまらない人間です。

よって、会長になっても女性は寄ってきません」

「えっ?自虐?」

「はい」