素直になりたい。

久しぶりに実家の方向の電車に乗った。

私と櫻庭の家は近所ではなかったけど、徒歩20分圏内の同じ学区にあって、同じ小学校に通うことになってしまったというわけ。

それにしても、まさか匠望くんが助け船を出してくれるとは。

人生何が起こるか分からないものだ。


「ねぇ、匠望くん」

「はい、何でしょう?」


移動時間を有効活用し、英単語を覚えている匠望くんに話しかけた。

返事が来たのだから、このまま続けて良いのだろう。

私はまた口を開いた。


「匠望くんはさ、櫻庭のことどう思ってるの?」

「なんですか、その抽象的な質問は?」

「いや、だから、その...。
カッコいいと思ってる、とか。
いざとなれば頼りになるなぁとか、そういう...」

「それ、自分が思ってることなんじゃないんですか?」

「は?!い、いや、まさか!わ、わわ、私がそんなこと...」

「うるさいです。静かにしてください」


年下に叱られるとは、情けない。

確かにここは電車の中。

いくら閑散としているといっても声を出しすぎた。

反省しないと...。