素直になりたい。

「鷲尾先輩の別には別にじゃないことくらい分かっています」


そう言いながら、匠望くんはベンチに座ってぼーっとしている櫻庭を見つめる。

まぁ、全部お見通しなんだろうな。


「兄にあんな顔をさせてしまうのは、あの人だけでしょう」


私は匠望くんの横顔をちらっと見た。

そのミステリアスな表情に思わず息を飲む。

しかし、彼は顔色1つ変えず、淡々と告げた。


「日下愛萌さん。兄が泣く泣く別れた相手です」


その言葉を聞いた瞬間、

私のガラスの心が

パリンっと音を立てて

割れた。