素直になりたい。

それから10分後。

櫻庭は食べ終わり、注文してまだ到着していなかったティラミスをキャンセルしてくれた。


「ごめん」

「呆れられたけど、2度と来ないし、いいだろ」

「だね」


ということにしたけど、良くないことくらい分かってる。

これでは櫻庭に借りばかり増えていく。

迷惑ばっかりかけて、ほんと、最低だ。

子供なのは、私の方だ。

前だってそう感じて反省してたはずなのに、なんでまた繰り返してしまったのだろう。

とりあえず、今は謝るか。

私は顔を上げ、櫻庭の目を見つめた。


「櫻庭、ごめん。色々色々色々...迷惑かけてごめんなさい」

「なんだよ急に...」

「櫻庭を助けるために一緒に来たのに、結局助けられちゃって、私、ほんとに情けない。ごめん」


私が頭を下げようとすると、櫻庭が言った。


「俺もだ。ごめん」

「なんで櫻庭が謝るの?だって、櫻庭は...」

「巻き込んだのは俺だ。それは、昔も。俺がいなければ直禾は傷付かずに済んだ。今も昔の分も合わせて謝る。本当に...本当にごめん。それと......」


櫻庭が私の目の前に何かを差し出して来た。

テーブルの上に置かれていたのは、

小さな袋だった。