素直になりたい。

会場まで来ると、もう席は埋まっていて遠い場所からの立ち見となった。

それでも、プールの向こうの真っ青な海を見ることが出来るから、これはこれで良い。

イルカさんたちはまだ練習中らしく、パートナーのお兄さんお姉さんに餌をもらいながら一生懸命泳いでいる。


「イルカ、可愛いなぁ」

「イルカ好きなの?」

「まぁ。小さい頃水族館でショーを見てから好きになった。

あとね、カピバラとペンギンが好きかな。

カピバラはね、あのぬぼーっとした顔がたまんないんだよねぇ。最高の癒しだよ。

で、ペンギンはね、凛としている感じでカッコ良いし、泳ぐの速いのに陸の上だとよちよち歩くのが可愛いんだよねぇ」


...って、また私はべらべら喋って櫻庭に個人情報を渡してしまった。

なんでなんだろう。

櫻庭といると良く口が動く。

滑らかに日本語が出てくる。

話したいことが見つかる。

ほんと、不思議だ。


「そんな好きなら真似して。ペンギン歩きはどうやるの?」

「えっとねぇ、ペンギンは......って、やらないから!やるわけないでしょ、こんな場所で。もぉ...人をからかうのも大概にして」


と、言った直後。