素直になりたい。

千咲ちゃんの視線の先には、明後日の方向を見つめ、ぼーっとしている櫻庭がいる。

匠望くんは夏休みの課題を進めるらしく、地元の図書館に行っていて後で合流するため、必然的に櫻庭と2人きりになる。


「新大くんと2人で大丈夫?」

「まぁ、昨日のこと引きずってて今日はあんな感じだし、何もないと思うから心配しなくていいよ。それに2人で話し合って今後の作戦立てなきゃだし」

「分かった。じゃあ、遠慮なくデートさせてもらうね。15時に江ノ島駅集合でいいかな?」

「うん。じゃあ、楽しんで」


あぁ、女神様が去っていく。

これからどうすれば良いんだろう。

肝心のやつはベンチに座って動かないし。

ならば、私が動くしかないか...。


私はゆっくりと櫻庭に近付いた。