素直になりたい。

時刻は18時30分になった。

私が802号室にお邪魔してから、ちょうど時計の針が一周した。

ババ抜きを2回戦やり、どちらも私が負け。

今は7並べをやっているのだけれど、全然勝てる気がしない。

圧倒的に頭脳派の2人が強くて、太刀打ち出来ない。


「直禾ちゃんって、本当に素直だよね。自分が置けるってなったら、他の人の兼ね合いなんて考えずにポンポン置くからさぁ」

「ふふっ。でも、そういうところが、直禾ちゃんの良いところだね」


2人から“直禾ちゃん”って呼んでもらえるようになり、それだけで嬉しくて私は勝敗を考えずに感覚で進めていた。

というより、考えられる余裕が私の頭の中にはなかったのかもしれないのだけれど。


「そういえば、さっき新大にいじめられてたって言ってたけど、具体的にどんなことされてたの?って、こんなこと聞くなんてボクもデリカシーに欠けてるな。ごめん」

「いえ、大丈夫です。具体的に、ですか...」


私は思いついただけ話した。

例えば、

私の描いた絵に勝手に色を塗られたとか、

いつの間にか持ってきた雑巾を奪われていたから、雑巾がけをしていなくて先生から怒られた、とか、

給食当番の時、割烹着を盗まれた、とか、

日直の相手を勝手に変えて、私と一緒にして、やりたくない仕事を押し付けてきた、とか、

勝手に私の委員会を決めたり、とか。

あとは、例の、デブ、メガネ、バカを散々笑ってきたことを話した。