素直になりたい。

匠望くんを見送ったあと、私はこの構図の妙に気付いてしまった。

よくよく思い返せば、私も邪魔者ではないか。

2人は櫻庭の見守り隊みたいな感じで来させられたのかもしれないけど、真の恋人同士だ。

イチャイチャしたいに決まっている。

ならば、私は1人で...


「あの、私1人で海でも見てきます」

「えっ?どうして?」

「どうして、と言われても...」


口ごもっていると、やはり察しの良い生田くんが言った。


「おれたち、鷲尾さんと仲良くなりたいんだよね。もっと色んなこと知りたいし。だから、話ながらさ、一緒にやらない?人数多い方が楽しいし」

「で、でも...」


私が躊躇していると、今度は立花さんが聖母マリアのような穏やかで安らかな笑みを讃えながら言葉を紡いだ。


「ワタシたちが一緒にやりたいの。一緒にババ抜き、やってもらえる?」


この完璧な笑みを見せられ、そう言われてしまったら、もう引き下がれない。

私は大きく頷いた。


「じゃ、荷物おいたら来て」

「はいっ」