素直になりたい。

「僕、分かっちゃいました、あなたのこと」

「えっ?」


わかったって、何が?

もしや、嘘ついてるのがバレたとか?

それなら非常にまずい。

櫻庭のことも守れないし、

自分のことも守れなくなる。

それはダメだ。

絶対にダメだ。

なんとか口封じしないと。

でも、どうすれば...。

頭を抱え、考えを巡らせようと思ったのだが、彼が先に話し出した。


「大丈夫ですよ。僕の考察は何も誰にも言いません。僕が悟ったということも、僕と鷲尾先輩、2人だけの秘密にしましょう。では、行きましょう」

「ちょ、待って」


逃げ足の速さも兄と同じ。

けど、似ていて非なる存在だ。

非なるところをあげるとすれば、

匠望くんは...

櫻庭より、

暖かくないのかな。

なんか人に対してドライな感じがヒシヒシと伝わってくる。

だけど、顔とかは似てるから自然と比べてしまう。

そうすると、また胸が痛くなるんだ。

今、私の隣にいるのが、

櫻庭新大じゃないのが、

なんか、

なんか...

なんかさ、

むず痒くて、

さ、

寂しいって、

そう思ってしまったのだった。