素直になりたい。

「鬼母たいさーん!!」


――パリンっ!


無事、割れた。

これで鬼のような母親との不運を絶つことが出来ただろう。

そして、もう1枚。

だって、こういう時しか叫べないから。

今までの鬱憤を全部この一投に込めて

この思いの丈を叫んでやる。

......よし。

私は神聖な空気を肺いっぱいに吸い込み、吐き出した。


「櫻庭新大のバカーー!!!」



――パリンっ!



よし、決まった。

はぁ、すっきりした...。

やっぱたまには絶叫しないとね。

私が満足げな顔をして割れた皿を見つめていると、匠望くんが隣に立った。


「兄のこと、本当はどう思ってるんですか?」


あ、そっか。

またやってしまった...。

スイッチオンにしたはずなのに...。


気を抜くとすぐに怒りが沸いてきて、

ムシャクシャして叫びたくなってしまう。

櫻庭のことを考えると胸にいっぱいモヤモヤがたまって、

どうしようもなく、胸が痛くなって、

でもその感情の行き場がなくて、

ずっと抱えることになっていた。


で、我慢出来なくなって

今、爆発させてしまった。


私は恐る恐る匠望くんの顔を見た。

すると彼はふっと笑った。

その笑い方もどこか似ていて、またマグマが沸々と湧いてくる。