素直になりたい。

「ちょっと、そこの2人、離れて」

「あっ、はい」


私は櫻庭からさっと離れた。

それにしても結構長い時間、抱かれてたな。

2度とこんなこと無さそうだから、ある意味貴重だったのかもしれない。

一応、イケメンであることは間違いないから、嬉しいってことにしておく。


「では、ここからは私の用意致しました、マイクロバスで最初の目的地まで参りましょう」


えっ?

マイクロバス?

てっきりリムジンかと思ったけど、

さすがにそこまでの資産家ではなかったみたい。


「では、あちらへ。席は2人ずつですので、私と新大くん、立花さんと生田くん、匠望くんとえっと...」

「鷲尾です...」


ほんと、肩身狭い。


「そうそう、鷲尾さん。そのペアで乗って行きましょう」

「ちょっと待って。俺、直禾の隣がいいんだけど。黒柳さんと結婚するつもりさらさらないし」

「な、何を仰るのですか?!わたくしと新大くんは結婚するのですよ!でないと、新大くんはあの家から...」

「俺はそれでも構わない。行くぞ、直禾」

「えっ、ちょっ!ちょっと!」