「これは一真(カズマ)から貰ったものだから付けてるだけ」
誰に言ったわけでもない。
けどこう言わないと占いを信じてるみたいで嫌だった。
一真は自慢の彼氏。
中学3年生の頃から付き合ってて1年と2ヶ月が経った。
中学もモテたけど高校生になってからさらにモテ始めた、それがあたしの彼氏の水島一真。
そしてこのネックレスは1年記念日の時に貰った物。
デザインもあたし好みで凄い嬉しかった。
指先でチェーンについてるハートの形をした石をコロコロと転がして遊ぶ。
あ、アイス買いに行くんだった。
忘れていたことを思い出し、玄関でサンダルに足を通す。
「いってきまーす」
気を付けていきなさいよ、とお母さんの声を背に近くのスーパーへと向かった。



