Crush~いつも君を想う~

そんなに嫌だったらとっとと家を出ればいいのに…と言いたくなるけれど、千世ちゃんも両親を捨てたくないと言う気持ちがあるのだろう。

「でも悪い話じゃないと思うよ?

花街に住んでいる人だったら誰もが知ってる、あの『ながはま屋』なんでしょ?

相手はどうであれ、悪い話じゃないと思う」

私が言ったら、
「じゃあ、一果が代わりに結婚してよ」
と、千世ちゃんが言い返した。

「えっ?」

何を言われたのかよくわからなかった。

「そんなに言うんだったら、私の代わりに結婚してって言ってるの!」

「えーっ!?」

何かとんでもないことを言い出したよ、この人は!

「ちょっ…ちょっと待ってよ、無理に決まってるじゃない!」

むちゃくちゃなことを言い出した千世ちゃんに、私は言い返した。