Crush~いつも君を想う~

私は息を吐くと、手の中にあるメモ用紙を見つめた。

SNSだとすぐに出てくれない可能性があるよね?

それだったら、電話の方が手っ取り早いかも知れない。

そう思った私は今度は長濱さんに電話をかけた。

「もしもし?」

長濱さんはすぐに電話に出た。

「えっと…こ、河野千世です…」

そう言った私に、
「ああ、河野さんでしたか」

長濱さんはどこかホッとした様子で返事をした。

「あの、もう1度お会いしたいと両親から話を聞きまして…」

「それでお電話をしてくれたんですか?」

「こんな遅い時間ですし…やっぱり、ご迷惑でしたか?」

遅い時間と言っても夜の9時を過ぎたところである。

「いえ、あなたから電話をしてくれてとても嬉しいです」

そう言った長濱さんに、私の心臓がドキッ…と鳴った。