Crush~いつも君を想う~

「思ったよりも大変だったね…」

両親学級が無事に終わった私たちはすっかり疲れてしまった。

「でも、いろいろと学ぶことができてよかったよ。

親になるための第1歩をようやく踏み出せたような気がする…」

林太郎さんはふうっ…と息を吐いた。

「注意してたところ、すごくかっこよかったよ。

林太郎さんのおかげで胸がスカッとしたよ」

私が先ほどのことを思い出しながら言ったら、
「一果さんが大変なところを見てたから。

妊婦さんはあんな思いをして体調不良に耐えているのに…って思ったし、この人は本当に親になる自覚があるのかなと思ってたら、つい行動してた」
と、林太郎さんは人差し指で頬をかいた。

「ありがとう、林太郎さん」

私はそんな彼に向かってお礼を言った。