初恋交響楽

「…俺、西尾さんになんて言ったの?」

大国くんが聞いてきた。

その質問に対してわたしは口を開くと、
「“西尾はないかな〜”って」
と、言った。

「えっ…」

大国くんは驚いた顔をしたが、
「ああ!」
と、すぐに思い出したと言うように手をたたいた。

えっ、何?

「そうか、聞いてたんだ…」

大国くんは呟いて息を吐いた。

「き、聞いてましたね…」

それに対してわたしは答えることしかできなかった。

「これにはちゃんとした理由があるんだ」

大国くんは言った。

「理由?」

理由って、どう言うことなの?

大国くんは気を落ち着かせるように深呼吸をすると、
「4組の馬場って覚えてる?」
と、聞いてきた。