「知り合いも何も、彼女は俺の妻だ」

そう答えた大国くんに、
「つ、妻！？」

野田さんは驚いたと言うように大きな声をあげた。

「あなた、何を…！？」

目を見開いて驚いているわたしに、
「これは一体どう言うことなんだ！？

妻って…あんた、結婚していたんだな！？」

野田さんがわたしの両肩をつかんだかと思ったら、早口でまくし立てるように問いつめてきた。

「わ、わたしは結婚していることを言ったはずよ？」

「そんなもん、何にも聞いてないぞ！？」

「おい、どう言うことなんだ！？

俺がいながらこいつと一緒にいたって言うことは…まさか、不倫か！？」

「あなたには関係ないでしょ！？」

修羅場状態になってしまったこの状況に、通行人たちは巻き込まれたくないと言わんばかりに逃げるようにしてすれ違っていた。