初恋交響楽

外に出ると、やっと息ができたような気がした。

早く家に帰らなければ…と思っていたら、
「西尾さん」

名前を呼ばれたので振り返ると、野田さんがこちらに向かってきていた。

何で野田さんがきたんだろう?

そう思っていたら、
「彼らが隠していることに気づいたんですよね?」
と、野田さんが聞いてきた。

「もしかして、会社を乗っ取ると言う…?」

それに対して答えたら、野田さんはやっぱりと言う顔をした。

「ここだとあれなので…」

「ああ、はい…」

野田さんに連行されるように、わたしは少し歩いた先にある喫茶店に入った。

「実は僕はこう言う者でして…」

野田さんは名刺を取り出して、わたしに見せてきた。