初恋交響楽

トイレを済ませて個室に戻ると、寺島さんから作戦の決行日とかいろいろな説明をされた。

それに対して、わたしは先ほどと同じように首を縦に振ってうなずいて返事をした。

「それでは以上です。

また何かありましたら連絡をします」

「はい、わかりました」

「本日はどうもありがとうございました。

食事の方はどうされますか?」

そう聞いてきた寺島さんに、
「すみません、この後知人に会う用事がありまして…」
と、わたしは断った。

「そうですか、わかりました」

「えっと…それじゃあ、わたしはこれで」

「はい、また」

寺島さんが返事をしたことを確認すると、わたしは早足に個室を後にして中華料理店を出たのだった。