大国くんは優しい人だ。

わたしが意地悪や嫌がらせをしても怒るどころか許してくれたし、それに対しての対処法とか提案とかを出してきた。

家にいて1人で家事をしているわたしのことを心配しているような人である。

そんな人と離婚をしたいと思っているなんて、わたしは自分勝手が過ぎるんじゃないだろうか?

こんなにも優しい人は珍しいくらいだし、どこを探してもいないだろう。

「いや、でも離婚したいのは事実だし…」

そう呟いて考えるだけ考えてみるけれど、何で離婚をしようかと思い立った経緯がわからなかった。

と言うか、
「もう何がしたいんだろう、わたし…」

関係のない人たちまで巻き込んで何をしたいのかもうわからなくなって、わたしは両手で頭を抱えた。