「それで今は次の作戦を立てているところなんですけど」

そう言ったわたしに、
「なるほど」

寺島さんは返事をした。

「それでしたら、私も協力をお願いしてもよろしいでしょうか?」

「協力ですか?」

「西尾さんが嫌じゃなかったらの話ですが」

「何か作戦があるんですか?」

そう聞いたわたしに、
「ええ、確実に離婚へと向かわせる作戦があります」

寺島さんは答えた。

「じゃあ…」

「ですけれど、この場でお伝えするのはちょっと…」

「あ、ああ…」

そうだよね、もしかしたら誰かに聞かれる可能性があるよね…。

寺島さんは会社からわたしに電話をかけている訳だから、内容が大国くんの耳に入ってバレてしまったら大変だ。