初恋交響楽

「ただいまー」

「ごめんなさい、大国くん!」

大国くんが帰ってきたのと同時に、わたしはすぐに土下座をした。

「えっ、何?」

訳がわからないと言う様子でわたしを見つめている大国くんに、
「す、スーツが…スーツが…!」

わたしは泣きながら返事をした。

「す、スーツがどうしたの?」

全く理解できていないと言う大国くんに、わたしは立ちあがって彼の手を引いて寝室へと案内した。

「わっ!?」

その光景を見た大国くんは絶句した。

「スーツについていたビニール袋を破ろうと思って、はさみで切ったら、スーツごと切っちゃって…!」

ワーッと、わたしは大きな声で泣いた。

大切なスーツ、ましてや明日の会議で着て行くつもりだったスーツをボロボロにされた大国くんは絶句していた。