初恋交響楽

着替えを取りに寝室へと戻ると、
「クソ、ダメだったか…」

わたしは呟いた。

熱々のお湯の温度で大国くんに嫌がらせをすると言う作戦は失敗だ。

「でも大丈夫、まだ作戦はある」

わたしはそう宣言をすると、大国くんのパジャマを持って寝室を後にした。

「はあ、サッパリした」

シャワーを浴びてパジャマを身に着けた大国くんがリビングに顔を出した。

「夕飯できてるよ」

「うん、ありがとう」

大国くんは椅子に腰を下ろすと、テーブルのうえに並べられた夕飯に視線を向けた。

それに対して、大国くんの顔が引きつった。

「どうしたの?」

わたしの質問に、
「…いや、何でもないよ」

大国くんは引きつった顔のままで答えた。