お昼ごはんはオムライス。

料理の苦手な怜とそんなことには無縁の領は私の横で見ているだけだったけれど、浩平は中々器用でいろいろ手伝ってくれた。

お母さんがいないときは自分で作ったりするから、私は案外家事が出来る方なのだ。


できあがったオムライスとポテトサラダを見て3人はうっとりした声を出す。今までの合宿ではほとんどがコンビニ弁当かカップラーメンだったんだとか。

怜と私が隣に座って、テーブルを挟んで向かい側に領と浩平が座った。みんなで手を合わせていただきますをして、黄色の山にスプーンを差し込むと、3人とも美味しいって言ってくれた。


晩御飯はカレーとお昼の残りのポテトサラダで、今度は私の隣に領が座って、目の前に怜と浩平が並んだ。


キャンプとか、スキー合宿とか、修学旅行とか。わたしが家族以外の人と一日中一緒にいるだなんて、そんな学校行事の時だけだ。

だから。

こんな風に誰かの仲間にいれてもらって、自分の作ったものを美味しいって食べてもらえて、ましてやテーブルを囲んで楽しく食事ができるだなんて、思っても見なかった。

私、なんて幸せなんだろう。

笑いながら食事をとることが、こんなに幸せなことなんだって、きっとこの3人に出会わなかったら知らなかったよ。