――――……ジャンッ
「今日はありがと―――!!!」
大きな歓声と拍手が会場を包む。いつもそうだ。歌っているときはほとんど無意識の領域にいて、最後の1音と領のこの声で目が覚める。
まるで夢を見ているみたいな感覚。
「最後に、覚えていって!俺たちの名前───」
領のが私のマイクを奪って、叫ぶ。観客は今までにないくらいの歓声と拍手で私たちを包んでいる。全部見える。笑顔も、涙も、汗も、全部。
私たちの音楽を、聴いてくれた。
「───はるとうたたね!」
領がステージの少し後ろにいる浩平と怜を私の隣まで連れてきて、全員横に並んで手を繋いだ。そのまま両手を思いっきり上に挙げて、勢いよく頭と一緒に振り落とす。
4人で手を繋いでお辞儀する。顔をあげるまでずっと歓声は鳴り止まない。スポットライトの明かりと会場の熱気で頬が熱くなる。
涙が出る、今この瞬間、私がここに立っていること、認められたみたいで。