初ステージから早3日。あの日の興奮が抜けきらないまま、寝られない日の夜のような毎日を過ごしている。



───だって、今でも覚えている。



あの感覚。ステージの上に立った時の高揚感。歌っている間の夢のような気持ちよさ。歌った後の達成感。観客からの歓声。したたり落ちる汗。いつもより響くホール。反響して返ってくる自分たちの音楽。3人の輝いた笑顔。


リズム、メロディー、バランス、すべてがそろって、ひとつの音楽になっていく。ひとつの曲になっていく。



【はるとうたたねヤバくね?】
【新ボーカル、女子だから舐めてたけど最高だった】
【声がいいよね】
【正直今回ダントツ】
【もう一回聴きたい】



───【はるとうたたねの新ボーカル、あやの、最高】



ライブ会場のホームページにある掲示板。一昨日から書き込みが止まらないと運営から連絡があった。覗いてみて、そう書かれたコメントがあった時、涙が出そうだった。



私の歌を聴いてくれる人がいて、

覚えていてくれる人がいて、

応援してくれている人がいて、



前の自分が今の自分を見たら、きっと信じられなくて目を瞑ってしまうようなことばかりだ。