「俺たちが恋に落ちたのも、このくらいのときだからな。仕方あるまい」
「たち? 私はそうだけれど。あなたはいつから私に恋をしていたの?」
「⋯⋯さぁな」
「――もう、ずる――んっ」
ルーシーと、私は似ているのかもしれない。
彼女が恋をしたのは、転んだルーシーを、優しく抱き起こしてくれた、年上の王子様。
私も少し偉そうだけれども、それ以上に優しい皇太子に恋をした。
そして――
『一緒にいてやる』
彼は今でも、私と出会ったときの約束を守ってくれている。
遠くから聞こえる笑い声に引き戻され、私たちは長いキスから顔を離した。
「しかし、ルーシーがヘリオンスに嫁ぐのは遠いな⋯⋯」
今から心配している彼が、愛おしくて仕方ない。
「あの子のおかげで帝国が、本当の意味でひとつになる日も⋯⋯近いかもしれないわよ?」
「ふっ⋯⋯それは見物だ。なにせ、式典の途中に生まれてくるくらい、予測不能なやつだからな」
ルーシーがいたから、今の私たちがいる。あの式典は未だ珍事として語り継がれているけれど、私たちにとっては、とてもいい思い出だ。
終わりよければ、全て良し。
今日も私たちの宝物は成長していく。



