【コミカライズ】皇帝陛下、今宵あなたを殺害いたします―復讐するのに溺愛しないでください―



長い話を終えると、彼女の瞳から、再びダイヤモンドのような雫がこぼれ落ちた。

留まることなく、はらはらと。エメラルドから、したたる水滴は宝石よりも美しい。

濡れた頬に手を伸ばし、指先で水滴を飛ばした。


「――これが、俺の全てだ。あの日に起きたこと。これまでの十年。俺には後悔すべきことが沢山ある。
しかし、そんな罪深い俺でも、アイリスだけは、手離せなかった。あの瞬間、諦めたはずなのに、お前はずっと俺の心に住みつき、再会した瞬間から、あの頃以上の想いを持つようになった」

「ルイナード⋯⋯」


上擦った声で呼ばれると、胸が甘く痛む。

こんな気持ちになるのは、過去にも、未来にも、彼女だけしかいない。


「⋯⋯許してくれなくてもいい。だが、ずっと、共にいて欲しい。⋯⋯俺は、お前なしでは生きていけない」


謝って許されることではない。全てを受け入れてもらえるとは思っていない。

しかし、祈るような思いで、赤い瞼を拭っていると


「もう、バカよ、あなたは」


真っ赤な目に鋭く睨まれる。


「なんなのよ⋯⋯ずっと未練たらたらじゃないのよ。あなたは皇帝である前に、一人の人間よ。自分のことも、もっと大切にして、私のことだって頼れば良かったのよ」


ガバッと、しなやかな腕が勢いよく俺の背中に回され。傷跡が痛い。

しかし、矢継ぎ早に紡がれる悲鳴に、思考が停止する。


頼る⋯⋯?


唖然としていると、彼女は叫ぶようにしてさらに続ける。