――『帰還したとき、お前に俺のすべてを捧げよう』


「俺にとって、それは生半可な覚悟では言えないことだ。誰にも話したことのない――俺の昔話だ」


見つめ合ったまま、ドクン、ドクン、と心臓が高鳴っていく。


それって。もしかして。


心臓をなだめるように解いていく指先を、感じながらも。今まさに、“真実”を伝えようとしているルイナードから意識が反らせない。

バクン、バクン、と脳内で鼓動がこだまする。


「教えて⋯⋯くれるの?」


返事の代わりに、微かに瞳が緩められる。


なら―― 


促されるままに、唇を開いていた。


「⋯⋯私は、あなたのことが、知りたい⋯⋯。
十年前、何で私にお父さまを殺したなんて“嘘”をついたの―――?」


教えて、あなたの抱える全てを――。