息を大きく吐き出した途端に、ポロポロと涙がこぼれ落ちる。泣くのは我慢しようと思っていたのに。バカみたいにあふれる。
椅子に腰下ろして。力の入らない手を取って、自ら頬へと寄せた。
『俺を殺す許可をやろう』
偉そうなこと言ってたくせに。子供を守るために、自ら体を張るだなんて⋯⋯。
ルイナードらしすぎるわ。
バカよ、バカ。
でも⋯⋯
そんなあなたが、誰よりも誇らしい。
明日からは、あなたの代わりとして強くなるから。今だけは泣かせて。
まだ⋯⋯大切なことをあなたに伝えられていない。
「この帝国のお姫様にしてくれるんでしょう⋯⋯。私たちは、家族になるんでしょう?」
まだ何も、解決していない。帝国の未来も、私たちのことも。
だから、だめよ。
誰よりも威厳のあって、心優しい皇帝陛下。
そんなあなたを、失うわけにはいかない。
早く目覚めて。私は、信じて、待ってるから。
その後、兄さんが呼びに来るまで、その手を握ったまま、ひたすら祈りながら、静かに涙を流していた。



