しかし、気心の知れた相手なのだが、一方で私を落ち着かない気分にさせるのも得意だ。
「――それにしても、ドレスよく似合ってる。今度、プレゼントさせてよ。来月、公爵家のパーティーに招待されているんだ。一緒にいこう」
ドキッと胸が波打つ。
ちらりと横目で視線を向けると、くせ毛から覗くチョコレートブラウンの瞳が甘くきらめく。
――これだ。これ。
「ドレスはいらないし⋯⋯パートナーにもならないわよ。他に誘える女のコいっぱいいるでしょう?」
「⋯⋯僕にはアイリスしかいないよ」
「何度も伝えてるはずよ。答えはノーって」
「⋯⋯僕は諦めが悪いんだ。なにしろ出会ってから今まで待てる男だよ」
パーティーにパートナーとして行けば、どういう関係に見られてしまうかなんて考えなくてもわかる。



