【コミカライズ】皇帝陛下、今宵あなたを殺害いたします―復讐するのに溺愛しないでください―


私は彼の視線を受けながら、刃を鞘に収めて、遠くに放り投げた。


「――放棄するわ」


カラン、と景気の良い音が響き渡る。

最初からそのつもりで、服の中に忍ばせてきた。手にするのは書庫で彼に向けた以来だ。


「アイリス⋯⋯」

「同時に私はこの城にいる理由がなくなる。婚姻を結ぶ理由も、あなたといる理由もなくなるわ」


瞬時に、彼の表情が固くなる。


「ねぇ、ルイナード。私、どうしたら⋯⋯いいかしら?」


言葉にしていると悲しくなって、じわじわと目の奥が熱くなってくる。

こんな試すようなら言い方、ズルいのはわかっている。

“出ていけ”って言われるかもしれない。

けれども⋯⋯


『俺の想いは⋯⋯昔から何ひとつ変わっていないんだ―――』


この言葉を信じてみての、最後の悪あがきだ。
私は、中途半端な気持ちで“あの日”触れているわけではないから。

祈るような気持ちで見つめていると、
ほどなくして、ぐっと唇を、噛み締めたルイナードは


「ふざけるな。やっと手に入れられると思ったのに、逃がすわけないだろ⋯⋯」


体を起こした彼は、縋り付くように私を抱き寄せた。まるで子供が親を求めるような必死さで。

狂おうしいほどの、愛しさが募る。

バランスを崩してそのまま体重を預けると、大切だと言わんばかり、膝の上でギュッと抱きしめてくれる。