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舞踏会当日は、予感したとおりくっきりと美しい満月が夜空に浮かんでいた。
あらかじめ花屋の手伝いをお休みしていた私は、早いうちに家事を済ませ、迎えの来る六時より前には、落ち着かない気持ちでベッドに腰をおろしていた。
「まだ三十分もある⋯⋯」
行きたくないような、早く終わらせてしまいたいような。複雑な気持ちだ。ついつい立ち上がってしまう。
元々物事を深く考えない兄さんは、あの翌日から何事も無かったように接してきた。いつものように朝食でとりとめのない話をはじめて。騎士団内の少しおマヌケな話をしてみせたり。私の大好物のイチゴを近所から分けてもらってきてくれたり。
そんな様子に腹立たしくて悔しかったけれど、話さない時間は半日と持たなかった。結局、兄さんは私の扱い方というものを心得ているんだと思う。
そして、本日五時が過ぎた頃「じゃあ、よろしく!楽しんできてね!」なんて無責任な言葉を残して任務にいってしまった。
本当に、マイペースというかなんというか。振り回されているような気がしてならない。
舞踏会当日は、予感したとおりくっきりと美しい満月が夜空に浮かんでいた。
あらかじめ花屋の手伝いをお休みしていた私は、早いうちに家事を済ませ、迎えの来る六時より前には、落ち着かない気持ちでベッドに腰をおろしていた。
「まだ三十分もある⋯⋯」
行きたくないような、早く終わらせてしまいたいような。複雑な気持ちだ。ついつい立ち上がってしまう。
元々物事を深く考えない兄さんは、あの翌日から何事も無かったように接してきた。いつものように朝食でとりとめのない話をはじめて。騎士団内の少しおマヌケな話をしてみせたり。私の大好物のイチゴを近所から分けてもらってきてくれたり。
そんな様子に腹立たしくて悔しかったけれど、話さない時間は半日と持たなかった。結局、兄さんは私の扱い方というものを心得ているんだと思う。
そして、本日五時が過ぎた頃「じゃあ、よろしく!楽しんできてね!」なんて無責任な言葉を残して任務にいってしまった。
本当に、マイペースというかなんというか。振り回されているような気がしてならない。



